症例Report
『腎結石』
:2014. 9. 10
:岩上 南
症例
腎結石 <雑種猫 11歳 オス(去勢済)>
稟告
以前より左右の腎臓に結石を認めており、腎機能の軽度悪化があったが、昨日から極端に食欲が減った。
血液検査
BUN 68 U/l(1ヶ月前30) Cre 5.0 mg/dl(1ヶ月前1.9)であり、腎機能の悪化が認められた。
超音波検査およびレントゲン検査
腎結石の増大および腎盂の拡張を認めた
右腎臓内に巨大な結石の陰影が認められる
治療
腎臓にできた結石は小さなうちは腎臓の機能の軽度悪化以外に症状を示さない場合が多いですが、大きくなり尿路を塞いでしまうと急性腎不全を引き起こすことがあります。治療としては、結石を溶かす方法がないため、手術による結石の摘出が適応となります。
今回の症例も点滴などの内科療法を行いましたが、造影レントゲン検査にて右腎臓からの尿生成の低下が示唆され、血液検査でも腎機能の悪化が認められたため、飼い主様と相談のうえ腎切開手術により腎結石を摘出致しました。
腎切開手術
摘出した腎結石
結石分析
シュウ酸カルシウム98%以上
その後
腎盂の拡張はしばらく続きましたが徐々にそれも治まり、食欲も出てきました。