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症例Report

『肛門嚢腺癌』

:2022. 5. 25
:山本

症例

肛門嚢腺癌 <ミニチュアダックスフンド 13歳 去勢雄>

 

稟告

半年ほど前にトリミングにて肛門の左側に腫瘤があることを指摘された。当初は様子を見ていたが最近になって拡大してきたためホームドクターを受診し、細胞診を受け肛門嚢腺癌の疑いが強いと結果が出た。ホームドクターでは外科治療は難しいとのことでセカンドオピニオンとして当院を勧められ受診。

 

身体検査

肛門の左側に隣接する位置に直径5cm大の皮下腫瘤が認められました。

 

細胞診

院内でも細胞診を実施したところ、上皮系の細胞集塊が認められました。

 

肛門嚢腺癌

ホームドクターでの血液検査で高Ca血症が生じており、細胞診の結果からも肛門嚢腺癌の疑いが強いと考えられました。肛門嚢腺癌は外科手術が第一選択ではありますが、高確率で転移を起こすため、腫瘤を摘出するだけでは根治にならない可能性が高い腫瘍です。しかし腫瘤がかなり大きくなってきているため、将来的に直腸や肛門の出口を圧迫することで排便困難を起こす危険性があると考えられました。治療方針について飼い主様と相談した結果、排便障害など生活の質を下げることは避けたいとの希望であったため、外科手術を実施することになりました。

 

CT検査

腫瘤の浸潤範囲や転移の有無を把握する目的で術前にCT検査を実施しました。その結果、腫瘤は直腸に接して増大しており、やや直腸を圧迫し始めているものの深部はまだ骨盤腔内までは浸潤していない様子でした。しかし、腹腔内の一部のリンパ節が腫大している所見が認められ、すでに転移を起こしている可能性が高いと考えられました。

 

外科手術

CT検査から腫瘤を切除での完治は難しい状態でしたが、追加治療によっては長期生存出来る可能性はあるため予定通り手術を実施しました。


[毛刈りをした外観]


[切皮して皮下組織を剥離したところ]

 

腫瘤は被膜に包まれて存在していたため、被膜を裂開させないよう剥離を進めました。


[腫瘤周囲の組織を剥離]


[肛門嚢の道管に繋がっている腫瘤]

 

肛門嚢の道管を結紮後、腫瘤を摘出しました。


[摘出した腫瘤]

 

 

術後の経過

腫瘤摘出後の合併症もなく、排便も問題なくできていたため一週間後に退院となりました。

 

追加治療

病理検査の結果は細胞診で疑われた『肛門嚢腺癌』であり、術後も高Ca血症が続いていたため腫瘍組織が残存していると考え、飼い主様には追加治療をお勧めしました。

相談の結果、追加治療として化学療法を実施することになり、治療薬には内服の分子標的薬であるトセラニブを使用することにしました。現在週3回の間隔で内服してもらい、状態を維持できるか経過観察となっています。

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