症例Report
『皮膚糸状菌症』
:2016. 4. 14
:山本
症例
皮膚糸状菌症 <ペルシャ猫 3歳 去勢雄>
稟告
今まで単独飼育していたところに新たに保護猫を飼い始めた。そのストレスなのか最近元気がなく、皮膚に脱毛病変も形成されてきたとのこと。
身体検査
腰背部に2ヵ所円形の脱毛病変を認めました。痒がるなどの症状はないとのことでした。
皮膚検査
紫外線を照射するウッド灯検査にて陽性反応が認められた。
[ウッド灯検査]脱毛部位の被毛が発光している様子が確認されました
皮膚糸状菌症とは
皮蛋糸状菌はカビなどの真菌の一種であり、感染すると円形の脱毛病変を形成します。症状としては痒みを示すときもありますが、本症例の様にない場合もあります。この感染症の大きな問題点は糸状菌自体が犬や猫だけでなく人にも感染する人獣共通感染症であることです。この症例の場合も飼い主様やそのご家族にも感染が広がってしまい、皮膚科治療が必要になりました。
治療
抗真菌薬の内服と塗布による治療を一か月ほど行い、ウッド灯の反応は消失しました。脱毛部位も時間はかかりましたが元の状態に改善しました。なお、感染源として新たに飼育を始めた保護猫の可能性が考えられたため、こちらの子に対しても暫く抗真菌剤の投薬を行いました。