症例Report
『前立腺がん』
:2014. 7. 11
:西川
症例
前立腺がん <ウェルシュコーギー 9歳 オス>
稟告
血尿
超音波検査
前立腺腫大、内部点状高エコー、膀胱内にも腫瘤浸潤
膀胱尾背側にもポリープがあった
前立腺内石灰化、膀胱内浸潤
病理検査
FNAおよびコアー生検により前立腺がんと診断
治療
前立腺がんは転移しやすく、予後も厳しく、1週間以上生存した犬の生存期間は約30日とも言われている。
治療として外科手術、放射線治療、抗がん剤治療、消炎鎮痛剤投与の選択があるが、どの治療も完治は難しく緩和治療になることを説明した。飼い主様の希望により、積極的な外科手術を希望されたため、膀胱前立腺全摘出術を実施した。
膀胱前立腺全摘出
尿管を包皮内に開口した
その後
術後3か月以上経過しており、抗がん剤投与を3週間に一度行っているが、転移もなく元気に生活を送れている。膀胱がなく自力での排尿が不可能なため、おむつを常に装着しておかなければならないのだが、飼い主様の努力により幸い感染などもなく順調に経過している。