症例Report
『全耳道切除術』
:2014. 9. 10
:平塚
症例
重度外耳炎(全耳道切除実施) <アメリカン・コッカー・スパニエル 16歳 避妊メス>
稟告
右耳耳道の外耳炎及び耳道入り口の腫瘤
[外貌写真]
右耳道入り口の腫瘤が認められ、耳道を塞いでいます。
レントゲン検査
両耳道が石灰沈着により白く猫出されています。
治療
長期に渡り外耳炎の治療を行っていた症例です。主に抗菌薬やステロイドの内服及び点耳薬で維持をしていましたが、右耳道の石灰化及び重度狭窄、そして右耳道入り口における腫瘤の形成が認められました。そのため内科的な維持が難しいと判断し、外耳道及び鼓室胞まで取り除く全耳道切除を実施しました。
[切除部位]
耳道入り口の腫瘤から鼓室胞まで
耳道すべてを切除しました。
[術後の外貌]
その後
術後、術創において重度の炎症及び感染が認められましたが、菌培養検査及び薬剤感受性検査の結果に基づく抗菌剤の投与により、良好な経過を見せました。顔面神経麻痺という麻痺が出やすい手術ですが、術後早期に症状が出たもののすぐに麻痺は治まり現在は良好に維持しています。
手術前よりも炎症や臭いが抑えられ、生活の質の向上につながったと思われます。
[術後1ヶ月後の外貌]