体幹腹側に発生した線維肉腫 | 松戸市・市川市

症例Report

：2021. 9. 6
：佐藤

線維肉腫　雑種猫　14歳

右側最後肋骨付近に結節があるので、全身の健康診断と共に検査を希望して来院した。

全身的に異常所見は特に認めず、腫瘤の細胞診では間葉系細胞が採取されたことから病理検査結果を待ってから今後の方針を検討する事とした。結果は『悪性間葉系腫瘍を強く疑う』で有ったため、CT検査によって腫瘍の範囲を調べつつ再度の細胞検査を行う事とした。

横断面

矢状断面

腫瘍は、皮下の筋肉組織に発生しているものと思われた。4cm大で、かなり硬い。CT検査と同時にパンチ生検を実施した。病理検査結果は『起源不明の肉腫』であったため、切除に関しては広範囲にマージンを設定した切除を行うべきと判断した。

皮膚切開時

肋骨の一部まで切除したため胸腔が露出

腹膜と横隔膜を縫合

腹膜欠損に対してメッシュで再建

間葉系悪性腫瘍という組織検査結果が出ていたので、周囲に２cmのマージンを設定して腹膜と皮膚、更にの切除を行った。欠損した腹膜は広範囲のためメッシュを使用して腹膜の縫合を行った。皮膚は、皮弁を利用することも検討したが通常通りに縫合を完了することができた。

腫瘍の病理診断では、皮筋下の筋層より深部に認められた『線維肉腫』であった。

病理診断結果より、術後の化学療法を行った方が良いと判断して現在抗がん剤による治療を実施している。なお、術後から3ヶ月の時点では特に腫瘍の再発は認められていない。

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