症例Report
『膝蓋骨内方脱臼』
:2016. 9. 2
:塩見
症例
膝蓋骨内方脱臼 <ヨークシャーテリア 2歳 オス>
稟告
検診時に触診にて左右後肢の膝蓋骨内方脱臼を確認
レントゲン検査
左右後肢の膝蓋骨の内方脱臼を確認しました。
左右共に内側に脱臼した膝蓋骨
治療
飼い主様と相談の上、麻酔下において膝蓋骨内方脱臼の整復手術を行いました。本症例では縫工筋・内側広筋の解放、ブロック法による滑車溝深化術、脛骨粗面移植術、外側余剰関節包の切除と縫縮を行った。現在、脱臼の再発や跛行も無く経過は良好です。
露出した滑車溝
ブロック法による滑車溝深化術
膝蓋骨脱臼とは
膝蓋骨脱臼とは膝蓋骨(お膝のお皿)が大腿骨滑車を中心にして変位している状態です。今回のように小型犬で多いのが、内方に変位している内方脱臼です。原因については先天性によることが多いと言われています。進行してくると骨格異常や跛行(運動時に足を挙げたり、ひょこひょこ歩く)を引き起こす事があるので注意が必要です。状況に応じて本症例のように外科手術を行う事があります。
整復後の膝蓋骨(向かって右)
術後レントゲン写真