症例Report
『皮膚再建手術』
:2014. 11. 11
:西川
症例
肘にできた軟部組織肉腫 <柴犬 13才 メス>
稟告
当院のペットホテル時に肘の内側約4cmのできものを発見
術前バイオプシー検査(病理検査)
軟部組織肉腫
軟部組織肉腫とは
皮膚の真皮由来が多く、全身に発生する悪性腫瘍である。
転移率は低いが浸潤性が強いため、放置しておくと、どんどん大きくなってくることが多い。
できるだけ早期の手術が望ましく、四肢に発生した場合は断脚になることも少なくない。
手術所見
肘の内側にできた腫瘍を拡大切除。
腫瘍周囲から広範囲に切除し、筋肉の一部も切除して、腫瘍が完全に取り切れるように配慮した。
皮膚の欠損が大きくなったため背中の皮膚を移動して、そこに充填した。(胸背動脈を利用した有軸型皮弁)。
術後病理組織検査
悪性神経鞘腫(軟部組織肉腫)と診断された。
切除状態は良好で完全に切除されていた。
その後
術後2か月で再発もなく元気に暮らしている。
しかし再発の多い腫瘍のため、今後も経過をみていく必要がある。