症例Report
『疥癬(カイセン)』
:2016. 5. 17
:塩見
症例
疥癬(カイセン) <雑種猫 3ヶ月 メス>
稟告
子猫を保護したが、全身フケだらけで痒がっているとのことで来院。
身体所見
全身にフケが付着。特に頭部、顔面、耳に強い炎症やフケ、カサブタが認められた。
[治療前]
頭部、顔面、耳に皮膚炎
皮膚掻爬検査
皮膚掻爬検査とは皮表や角層に感染する外部寄生虫や真菌の検出を目的とし、皮膚の表面を削り取って調べる検査方法です。皮膚掻爬検査にてヒゼンダニの成虫、虫卵を検出しました。
[ヒゼンダニの成虫と虫卵]
猫疥癬とは
ヒゼンダニという寄生虫による感染症です。疥癬の特徴は激しい痒みが生じ、猫では頭部・顔面・耳などに皮膚炎、カサブタ、脱毛などの症状が出ます。悪化すると全身の広い領域に皮膚症状が拡大し、食欲不振や削痩など抵抗力の弱い子猫などでは全身状態が悪化することもあります。また、人の皮膚にも一時的に寄生して皮膚病変を生じさせる可能性があり、人獣共通感染症の観点からも注意が必要です。
治療とその後
1週間おきにノミ、ダニ駆除の滴下剤を計3回使用しました。その後、時間経過と共に改善していき、治療後一ヶ月半で完全に皮膚病変は消失しました。現在、再発も無く経過は良好です。
[治療後]
とても可愛くなりました