症例Report
『帝王切開』
:2016. 3. 15
:塩見
症例
帝王切開 <ヨークシャーテリア 1歳 メス>
稟告
妊娠が判明し腹部も大きくなってきたが、出産の徴候がみられないとのことで来院。
超音波検査、レントゲン検査
検査により健康な胎児が2匹確認出来ました。しかし、予想以上に胎児が大きく育っており難産が予想されました。
帝王切開
出産日になっても出産の徴候が見られず、更に胎児が大きく育っていた為に難産の可能性がありました。難産になると母子共に危険な状態になる事もありますので、飼い主様と相談し帝王切開を選択しました。帝王切開は母犬や胎児の麻酔の影響を最低限に抑える為に、素早く手術を行っていく必要があります。
[術中写真]
犬の難産
犬の難産の判断基準としていくつかのポイントがあります。⑴通常、分娩前に体温が1〜2度低下するが、低下してから1日経っても分娩が起こらない。⑵強い陣痛が30分以上続くが産まれない⑶胎児の一部分が出てきているが産まれない⑷破水が起こって数時間経つが産まれない⑸胎盤剥離が起こり、暗緑色の分泌物が排出される。これらの状態は難産の可能性がありますので注意が必要です。
その後
現在2匹の子犬さんは順調に大きくなっています。帝王切開は命の誕生をお手伝い出来る、とてもやりがいのある手術です。
[帝王切開直後の子犬]